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ストア派哲学で折れないマインドを作る

現代は仕事がうまくいかなくて落ち込んだり、SNSで思わぬ誹謗中傷を受けたりして自己を保つのが難しくなることもあります。そんな中、注目されているのがストア派哲学です。大企業のCEOや一流アスリートにも行動の基盤としている人が多くいます。多くの成功者が実践するストア派哲学の考え方を身に着けて、困難に打ち勝つマインドを作りませんか。

ストア派哲学とは?

ストア派哲学は紀元前4世紀前ころのアテネでゼノンという哲学者が弟子たちに講義を始めたことから始まります。講義をした場所が中廊(ギリシャ語でストア)だったことからストア派と呼ばれるようになりました。ストイックの語源であることでも知られています。

・ストア派哲学の基盤になる要素・考え方

1. 物事には自分で変えられるものと変えられないものがある
ストア派哲学の教えの中でも一番重要な考え方です。自力で変えられるものと変えられないものを見極め、自分の力で変えられるものにのみ力を注ぎ、変えられないものに関しては素直に受け入れるという考え方です。いい意味で選択肢が狭まるので迷いが少なくなり、決断が早くなります。

2. 永遠に存在するものはないと知る
家族、家、友人、仕事など、どんなに大事に思っているものでも、永久に存在するものはない、ということを忘れないようにするという考え方です。一見、後ろ向きな考え方のようですが、永遠に続かないからこそ今の関係を大事にすることができ、失っても絶望せずに正しい行動をとることができます。

3. 4つの美徳を実行すると決意する
実践的な知恵…困難な状況に対処する
勇気…どんな状況でも、物理的にも倫理的にも正しい行いをする
公正さ…すべての人を地位に関わらず公平に扱う
節制…常に節度を保ち、自制する
実行するのはなかなか難しそうなものもありますが、窮地に立たされた時、美徳をどこで使うかを考えれば、簡単に周囲に流されることは避けられそうです。

ストア派哲学はなぜ今も有用なのか?

ギリシャ哲学はストア学派哲学以外にも様々な学派がありましたが、2000年以上経った今でも受け継がれているのはストア派だけです。なぜストア派の教えだけが今も生き残っているのでしょうか?

ストア派の哲学は他の哲学に比べて、論理学と倫理学が発達した哲学です。ストア派哲学の哲学者たちは、「最善の生き方とは何か」「怒りにどう対処すればよいか」「苦境を乗り越えるにはどうすればよいか」といった問題に向き合い、現実的な答えを出そうとしていたことが、日記や手紙で明らかになっています。

何人ものストア派哲学者が研究を重ね、自分で実践し、物の見方や受け止め方、考え方、自分でコントロールできないことへの対処の仕方を確立していきました。

・生きるために必要な知恵と技術は今も昔も変わらない

古代のギリシャも政治問題が山積し、戦争も頻繁にありました。こういった不安定な状況かでゃ自分のおかれた状況を正しく見る目、適切な行動をとることができる判断力、困難な状況であっても対処する知恵とバランス感覚を身に着けることは必須です。

何が起こるかわからない、激動の時代であったことは現在と共通するのかもしれません。そんな中で生まれて発展したストア派哲学だからこそ、今も広く受け入れられているのでしょう。

ストア哲学を実践している成功者は多い

アウシュビッツの収容所での経験をつづった「夜と霧」が今もベストセラーになっているヴィクトール・フランクル、アパルトヘイト運動で30年近く獄中生活を強いられた南アフリカ元大統領ネルソン・マンデラ氏もストア派哲学の考え方を実践して過酷な状況を生き延びました。

海外では歴史上の英雄や、有名企業のCEO、アスリートにもストア派哲学の教えを実践している人はたくさんいます。

他にも歴史上の英雄や、有名企業のCEO、政治家、ミュージシャン、アスリートにもストア派哲学の教えを実践している人はたくさんいます。

日本ではまだなじみの薄いストア派哲学ですが、元陸上競技選手だった為末大さんはYouTubeでストア派哲学について語っています。ジャンルを問わず、様々な分野で実践できる教えのようです。

ストア派哲学を仕事・人間関係で応用する具体例

無実の罪で投獄されるような過酷な状況はさすがにありませんが、普通に生活していても仕事や人間関係など悩みは尽きません。普段の生活にストア派哲学の考え方をどう取り入れたらよいのかを考えてみましょう。

・仕事
仕事で大きな商談を任されたにも関わらず、成功しなかった場合は非常に悔しいし、自分に対する評価が下がることも考えられます。

しかし、商談はどんなにこちらが熱心に交渉しても、相手がどんな判断を下すかはコントロールできません。また、自分にどんな評価が下されても自分の力ではどうしようもないことです。過度に自分に対する評価を気にして卑屈になる必要はありません。自分にできることに集中しましょう。

・病気・事故・怪我
完治が難しい病気にかかったり、理不尽な事故に自分や家族が巻き込まれたりした場合はどうでしょうか。毎日の生活は不自由になるのは帰ることのできない事実です。しかし、その中でも改善できることはあります。

たとえば、車いす生活になり毎日出社するのが困難であれば、リモートワークで職種に配置換えして、電車の混雑が避けられるよう時間差出勤などを会社に交渉することはできます。会社がそれを受け入れてくれるかはわかりませんが、ダメなら転職などちがう可能性を探してもいいのです。

まとめ

ストア派哲学は困難な状況を黙って我慢するのではなく、状況をよりよくするための考え方や行動の指針になる哲学です。今の自分が置かれている状況を見極めることができれば、無駄な努力はしなくて済みますし、心の負担も軽くなります。自分が実行できそうな教えを少しずつ始めてみましょう。

(八木史子)

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