パスタ、ティラミス、ピッツァ。
これらに共通するのは、すべてイタリアン・フードであることです。
国際的に知られるようになったこうしたイタリア料理、実はそれぞれをお祝いする日が存在するのです。
イタリアでもあまり知られていなかったイタリアン・フード・デーですが、毎年ニュース記事として大々的に取り上げられ、認識度も上昇してきました。
今日は、イタリアン・フード・デーについて解説します。
イタリア料理はマンマの味、伝統重視!
イタリアの「食」は、あまり流行に左右されないという特徴があります。
イタリア料理やデザートが日本でブームとなると、逆にそれがニュースになってイタリアに伝わります。
イタリアにおける「食」は、どんな存在なのでしょうか。
・食に関しては保守主義のイタリア人
日本でティラミスがブームになったのは、1990年代のことでした。
パンナコッタやマリトッツォといったイタリアのスイーツが日本各地で見られた現象を、覚えている方も多いと思います。
一方、流行のサイクルが早い日本と異なり、イタリアは食に関しては保守主義。
ティラミスやパンナコッタは、イタリア料理のデザートの定番として、どこのレストランでも独自の味を何年も守り続けているのです。
イタリアン・フーズ・デーはほぼ毎日?誰が決めているのか
2015年に地中海式食事法がユネスコの無形文化遺産に認定され、イタリア料理は美味しさだけではなく、健康に寄与する要素を持つことで注目されるようになりました。
主なイタリアン・フーズ・デーとともに、いったい誰がそれを決めているのかを解説します。
・こんなにもある!イタリアンフーズ・デー
主なイタリアン・フーズ・デーをリストにすると、このようになります。
1月17日 ピッツァ
2月5日 ヌテッラ
3月21日 ティラミス
3月24日 ジェラート
4月6日 カルボナーラ
10月25日 パスタ
これらがよくニュースになるイタリアの料理の日です。
これ以外にもほぼ毎日、「ミートソース」「ラザニア」「トリュフ」「ペコリーノチーズ」などの日が定められています。
パスタやティラミスなど国際的に知られた料理については、ニュースや記事でもそれらがインターナショナルであることを喧伝しています。しかしマイナーな料理についてはあくまで国内レベル。
キリスト教会のカレンダーには365日、いずれかの聖人の祝日になっていますが、これと似た現象がイタリアン・フーズ業界にも起こっているというわけです。
・フーズ・デーはいったい誰が決めるのか
フード・デーを決定するのは、さまざまな公的機関です。
よく知られたところでは、国連が決定したフーズ・デーがあります。
2月10日「豆の日」、5月2日「まぐろの日」、5月21日「お茶の日」、10月16日「食料全般」は、国連が制定したフーズ・デーなのです。(※1)
こうした国連の決定に倣うように、イタリアの大小の公的機関がフーズ・デーを認定してきました。
たとえば、10月25日「パスタの日」。
これは、ローマに本拠地を置く「International Pasta Organisation」によって1995年に定められました。パスタの製造業者や関係者が一堂に会し、パスタの普及と発展のために会議を開催した日を記念しているそうです。
他のフーズ・デーも、似たり寄ったりの理由で制定されているのが実情です。
<引用元>
フーズ・デーに意義を持たせるさまざまな活動
国際レベル、国内レベルでさまざまなフーズ・デーがあるイタリア料理ですが、その日はいったいなにをしているのでしょうか。
食にこだわりを持つイタリアならではの活動を見てみましょう。
・フーズ・デーの活動
イタリア人は朝ネットでニュースを見て、その日がフーズ・デーであることを知るのが大半です。
記事の内容は、その料理やお菓子の歴史や変遷が説明され、アレンジ方法が紹介されることもあります。
たとえば「パスタ・デー」ならば、生活習慣病予防や地球の環境に優しいパスタ製造技術などが紹介され、おしゃべりなイタリア人たちは家族や友人と話題にすることも多々あります。
また2022年のパスタ・デーには、イタリア各地でボランティアが25万食のパスタ料理を用意し、不如意な生活を送っている人々に振舞いました。(※2)
フーズ・デーはつまり、その料理の喧伝をするだけにとどまらず、将来や環境を見据えた活動を展開しているわけです。ただのお祭り騒ぎに終わらせないところが、現実主義のイタリアンスタイルを感じます。
<引用元>
※2.Il Piazenza「il 25, la giornata mondiale della pasta」
最後に
食に絶対の自信を持ついたりあは、食の話題に敏感です。
国連が唱える食品ロスや環境問題も、食品関連企業が先頭に立って、さまざまなプロジェクトを先導しているのです。
美味しい料理やお菓子を食べるだけではなく、それを将来に残すためのさまざまな試みを含むフーズ・デー。企業や公的機関の地道な努力で、知名度は上昇中といったところです。
<参照元>
・International Pasta Organisation
(cucciola)