ここ数年は、なかなか旅行に行けなかった方も多いと思います。しかし、今年の夏こそ旅行に出かけたいものですね。
どこに出かけようかお悩みのMen’s App読者にオススメなのが「日本の世界遺産」です。
テレビなどで耳にすることも多い「世界遺産」について、詳しく説明できますか?
新しく日本の世界遺産が登録されると、ニュースで取り上げられるので、なんとなくは知っている。という方がほとんどだと思います。
そんな中、世界遺産についての知識を押さえておくことは、周りと差をつける意味でも重要です。
全てを網羅することは難しくても、世界遺産についての基本的なポイントを押さえ、実際に足を運ぶことは、教養を深め、会話の引き出しを増やす助けとなるでしょう。
押さえておきたい「世界遺産」の基礎知識
「世界遺産」や「文化遺産」「自然遺産」。「遺産」と名前のつくものはたくさんあって、ややこしいですよね。まずは、その違いについてご説明します。
そもそも「世界遺産」とは
1972年に、ユネスコ総会で世界遺産条約が採択されました。この条約に基づいて「世界遺産リスト」に記載されたものが「世界遺産」です。
世界遺産には「顕著な普遍的価値」をもつ建造物や遺跡、景観、自然が登録されます。
顕著な普遍的価値。つまり、どの国、地域の人でも。いつの時代、どの世代の人でも。どのような信仰、価値観をもつ人でも、同じように「素晴らしい!」と感じる価値をもつ世界遺産は、人類共通の宝といえます。
世界遺産は「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」がある
世界遺産には、文化遺産と自然遺産、複合遺産があります。
文化遺産の対象は、記念物・建築物・遺跡・文化的景観といった文化財であり、人によって作り上げられた遺産です。
一方、自然遺産は、観賞上、学術上または保存上顕著な普遍的価値を有する特徴ある自然地域、絶滅の恐れのある動植物の生息地などが登録されます。
そして、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものが「複合遺産」とされています。
今後、世界遺産に登録される日本の遺産は「佐渡島の金山」
2022年6月現在、世界遺産は文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件を含む1,154件に上ります。そのうち日本からは文化遺産20件、自然遺産5件の計25件の世界遺産が登録されています。
2022年2月に政府の閣議において「佐渡島の金山」を世界遺産へ推薦することが決定されました。推薦されたものは、ほぼ間違いなく登録される流れですので、近い将来、佐渡島の金山は世界遺産へ登録されることでしょう。
この夏に訪れてみたい世界遺産
世界遺産の知識を得たら、実際に訪れて、世界が認めた日本の遺産を鑑賞してみましょう。
この夏の旅行に訪れたい、日本の世界遺産をご紹介します。
都内からもアクセス抜群!「日光の社寺」
Photo by (c)Tomo.Yun http://www.yunphoto.net
歴史を伝える世界遺産として、旅行にオススメなのが「日光の社寺」です。都内から日帰りも可能なアクセスの良さですので、週末旅行にいかがでしょうか。
1999年に世界遺産に登録された世界遺産「日光の社寺」は、日光東照宮、輪王寺、二荒山(ふたらさん)神社の二社一寺です。17世紀の芸術作品の集大成として価値が認められ、神社建築の見本として、また神仏習合の信仰の地としての高い評価を得ています。
東洋のガラパゴス「小笠原諸島」
1週間ほどのまとまった休暇が取れるなら、挑戦していただきたいのが、大自然の世界遺産・小笠原諸島です。
小笠原諸島への交通手段は船のみ。それも片道24時間かかり、定期便は島に3泊した後戻ります。したがって定期船を利用した小笠原への旅行は、基本的に5泊6日の期間が必要です。
訪れるハードルは高いですが、そこまでして訪れる価値は充分にあります。
島々を取り囲む豊かな海、独自の進化を遂げた固有種の宝庫の森は圧巻です。都会の喧騒を忘れ、豊かな大自然の中、休暇を過ごしてみてはいかがでしょうか。
明治日本の産業革命遺産「韮山反射炉 」
日本の技術を誇る世界遺産「明治日本の産業革命遺産」。なかでも静岡県伊豆の国市・韮山にある韮山反射炉は、世界で唯一現存している、実際に稼働した反射炉であり、我が国の製鉄史の初期段階を示す産業遺産として評価されています。
そそり立つ2基の煙突と、耐火レンガで組まれた溶解炉は高さ約15.7m。ぜひ実際に見上げ、当時の日本に思いを馳せてみてください。
休暇には世界遺産を観光して、見聞を広げよう
ここで紹介した以外にも、日本にはたくさんの世界遺産があります。
興味を持たれたら、今度は「休暇ごとに世界遺産を巡る旅」なんて、素敵ですね。
休み明けには「この夏の休暇は、世界遺産をみてきたんだけどね」と話題にしてはいかがでしょうか。
その際に「世界遺産って、文化遺産とは違うんですか?」なんて聞かれたら、ぜひここで得た知識を披露してみてください。「歴史や文化に精通する知識人」と、一目置かれるかもしれません。
(ブランシェ枝里子)