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ワインだけじゃない!イタリア発祥のカクテルたち

イタリアは、世界に冠たるワインの国。

ワインの生産量は世界一を誇ります。(※1)

しかし、イタリアのおいしいアルコールはワインにとどまりません。修道院産のビールやバリエーション豊かな食後酒など、お酒の文化は実に広範に及ぶのです。

そして意外なことに、イタリアに起源をもつカクテルも少なくないことをご存じでしょうか。

今日は、イタリア発祥のカクテルについてご紹介いたします。

※1.Statista

引用元:https://www.statista.com/statistics/240638/wine-production-in-selected-countries-and-regions/

カクテル、それはアペリティフのおとも!その歴史は?

イタリア人は、カクテルをいつ飲用するのでしょうか。

それは、アペリティフの時間です。

アペリティフはイタリア語では「アペリティーヴォ」。サマータイムが始まり長い夕刻を楽しむ時間、美味しいカクテル、ちょっとしたおつまみ、親しい人たちとのおしゃべりを堪能するのがイタリア風なのです。

日本にはなかったこの風習アペリティフは、概して夕食の時間が遅いイタリアではごく自然に楽しめるもの。その語源は、ラテン語の「aperitivus」にあります。「胃を開く」という意味のこの言葉、その言葉通り食事の前の胃の準備体操といった趣でしょうか。少し苦味のある飲み物が、胃を刺激するとされていたそうです。

「医学の父」と称される古代ギリシアの医師ヒポクラテスも、食欲不振の患者には白ワインにニガヨモギ、ヘンルータという植物を加えた苦味のある飲み物が有効と語っています。なんとこれ、紀元前5世紀ごろのお話です。

アペリティフは、西洋の文明とともに発展し継承されてきた風習といって過言ではないでしょう。

引用元:http://www.colonialbar.it/la-storia-dellaperitivo/#:~:text=In%20realt%C3%A0%2C%20l’aperitivo%20ha,di%20dittamo%2C%20assenzio%20e%20ruta.

近代のアペリティフの起源、それはイタリアの王様御用達

フランス語のアペリティフという言葉が日本で定着しているせいか、この風習もフランスのものというイメージがあります。ところが実際には、近代に普及したアペリティフの起源はイタリアにあるのです。

1786年、トリノのアントニオ・ベネデット・カルパノという人が、当時のイタリア王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のために考案したのが、食前酒「ベルモット」でした。白ワインにニガヨモギをはじめとする30種以上のハーブを加えて作られたベルモットは、その美味しさからイタリア王の気に入るところとなり、宮廷の公式の食前酒として認められたのです。

これを皮切りに、ジンやウィスキーを加えたベルモットがヨーロッパじゅうに普及します。20世紀の初頭には、イタリア半島の都市ではアペルティフが当たり前の習慣として定着したのです。

引用元:http://www.colonialbar.it/la-storia-dellaperitivo/#:~:text=In%20realt%C3%A0%2C%20l’aperitivo%20ha,di%20dittamo%2C%20assenzio%20e%20ruta.

イタリアで生まれたカクテルの数々

現在では星の数ほど存在するさまざまなカクテル。

その中でも、夕食前のハッピーアワーを彩るメイド・イン・イタリーのカクテルについてご紹介いたしましょう。

スプリッツ(Spritz)

イタリアをはじめ世界中のアペリティフ・アワーで、最も消費されているカクテルのひとつ、それがスプリッツです。

イタリア生まれにもかかわらずドイツ的な響きがあるのは、このカクテルの誕生に当時イタリア北部を占領していたオーストリア軍が関与していたためです。当時イタリアに駐屯していたオーストリア兵は、イタリアのワインを炭酸水で割って飲んでいました。「Spritz」とは「振りかける」の意で、飲み方がそのままカクテルの名になったのです。

現在のスプリッツは、1880年にパドヴァで生まれたアペロールを使用するタイプが王道。

ミラノ・トリノ(Milano-Torino)

イタリアでは最もクラシカルなカクテルとして知られるミラノ・トリノ。

1860年、カンパリ社の創業者ガスパリ・カンパリによって登場したこのカクテル、またたく間に人気のドリンクの仲間入りを果たしました。

カンパリと甘めのベルモットを混ぜただけのシンプリシティは、現在までロングセラーとなって生き残っています。

ミラノ・トリノをベースにさまざまなカクテルが生まれますが、アメリカーノはそのひとつ。ソーダを加えてモダンな味わいで楽しみます。

ネグローニ(Negroni)

イタリア発祥のカクテルの代表といえば、ネグローニを外すわけにはいきません。

ネグローニが誕生したのは1919年。フィレンツェの伯爵カミッロ・ネグロ―ニのアイデアから生まれたためにこの名前があります。

既に存在していたアメリカーノをアレンジしたネグローニは、伯爵自身がより強めのカクテルを欲して、ソーダの代わりにジンを加えるよう指示したことから生まれました。

カンパリとレッド・ベルモット、ジンを加えて、最後にオレンジの一片をトッピングして完成。

ベッリーニ(Bellini)

優しい色合いがビジュアル的にも美しく、女性にも人気のベッリーニ。

イタリアでは夏向きカクテルの筆頭として、絶大な人気があります。

ベッリーニは海の都ヴェネツィアで生まれたカクテル。同地のチプリアーニ・ホテル内にあったハリーズ・バーが故郷です。

ハリーズ・バーの創業者ジュゼッペ・チプリアーニは、お気に入りのフルーツの桃を使ったカクテルを作ろうと頭を悩ませていました。ある日、ヴェネツィア出身の高名な画家ジョヴァンニ・ベッリーニが描いた天使のピンク色の衣装からインスピレーションを得て、このカクテルを完成させたのです。

白のスパークリングワイン、あるいはプロセッコをベースに、桃の果実を加えるまさに夏の味。桃は白桃を使用し、決してフードプロセッサーで粉砕せず荒めに潰すのがコツなのだとか。

ヒューゴ(Hugo)

北イタリアアルト・アディジェ生まれのヒューゴは、地理的な関係からオーストリアやスイスでも愛されているカクテルです。

爽快感という点では突出しているヒューゴ、ベースはプロセッコなどの白のスパークリングワインです。これにエルダーフラワーやメリッサのシロップ、ガス入りウォーターを加えるのが基本。

ミントの葉とライム一片をトッピングする爽やかなヒューゴ、実は誕生が2005年。比較的新しいカクテルです。盛夏の乾きを癒すカクテルとして、人気が急上昇しています。

引用元:https://nio-cocktails.com/en/blogs/news-1/classici-cocktails-italiani

引用元:https://flawless.life/it/italia/i-cocktail-italiani/

気分に応じて気軽に楽しめるイタリアのカクテル

イタリアで消費されるカクテルの種類は無限で、その日の気分に合わせて選べるのがメリットです。長い夏の夕方、カクテル片手にバールで友人たちとおしゃべりに興じるだけではありません。自宅で過ごす時間が多くなったこの数年は、自宅で作るカクテルもまた隆盛。

秋の夜長や冬の読書のおともにも、ぜひ素敵なカクテルで楽しんでみてください。

  (cucciola)

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