食事制限なしでダイエットする、というテーマはネットに溢れていますが、どれも似たようなことが述べられています。
その多くは、基礎代謝を高めるために筋トレをして、定期的に有酸素運動をする、という内容になっているはずです。確かにその通りなのですが、果たしてその提言をまともに実行してダイエットに成功できた人がどれだけいるでしょうか。ほとんどいないのでは・・・。
今回、提案する内容は、私が実際に2020年4月から2020年12月までに取り組んだ食事制限なしのダイエット法です。個人差はありますが、多くの人にあてはめることができるスタンダードな方法です。
もちろん、簡単なことではありませんが、食事制限なしでマイナス10kgのダイエットを実現するわけですから、それ相応の覚悟はしてください。
運動で消費されるカロリーは少ない
痩せるメカニズムを簡単に説明すると、摂取カロリー<消費カロリーの状態にすればよいのです。
食事制限なしということは、摂取カロリーは変化しないので、消費カロリーを増やすということになります。つまり、運動するということですね。
しかし、運動でのカロリー消費は思ったほど多くありません。1日の消費カロリーの中で運動による消費量は全体の30%程度と言われています。さらにその中でも通勤や掃除といった生活の中での動きも運動とされているため、ジムでの運動や週末のサッカーやジョギングというのは、その3分の1程度になります。つまり、いわゆる運動では、1日の消費カロリーの中で10%くらいしかないのです。
これって少ないですよね。
有酸素運動で脂肪を燃焼させる
定番のダイエット法として有酸素運動があげられますが、上記理由により、ちょっとやそっと運動した程度では、脂肪燃焼を促すほどの効果を得られないというのが結論です。
しっかり汗をかいて運動したにもかかわらず、通勤や掃除の消費カロリーよりも少ないと言われると、なるほど簡単に痩せないということもご理解いただけるでしょう。
ただ、一方で人間の意思で痩せるための行動は、食事制限と運動しかないというのも事実です。
基礎代謝量の方が運動でのカロリー消費より多い
では、1日の消費カロリーの大半を占めるのは一体なんでしょう。
それは基礎代謝です。
基礎代謝とは何もせずに寝ているだけで消費される待機電力のようなものです。基礎代謝は全体の60%くらいになると言われています。その内容は、血液を循環する心臓の動きや、食べ物を消化するための内臓の活動、仕事や勉強で脳を使うときなどです。
そうです。人間は何もしないのに運動の6倍もカロリーを消費しているのです。
基礎代謝量を高める
この基礎代謝量を高めることができれば、運動以上のダイエット効果を得ることができるわけです。
それが筋トレです。脂肪よりも筋肉の方が、同じ動きをしても基礎代謝量が多いのです。つまり、運動をしていなくても、ただ筋肉が多いだけで消費カロリーは高まるということです。運動をすれば、さらにその消費量は増えるので、一石二鳥なのです。
体脂肪率18%で痩せるモードに入る
これは私の実体験によるものなので、個人差があることを最初にお伝えしておきます。
みなさんの周りにいる痩せている人って、いつ見ても痩せていますよね。逆に太っている人は年齢を重ねるごとにどんどん太っていくパターンが多いのではないでしょうか。私も不思議に思っていたのですが、その秘密は体脂肪率であると気が付きました。
食事制限なしのダイエットに取り組んでいるとき、最初の3ケ月くらいはどんどん体重が下がったのですが、あるとき、どれだけ運動しても痩せなくなりました。そのときは運動のモチベーションも下がりかけましたが、1ヶ月後に突然、痩せるスピードがアップしていったのです。
後々、分かったのですが、体脂肪率が18%前後になると一度、体重が増える状況になります。
つまり、脂肪は順調に減少していたのですが、脂肪よりも比重の大きい筋肉の量が増えていたことで体重そのものは減らなかったという現象が起きていたのです。
その分岐点になるのが、私の場合は、体脂肪率18%だったということなのです。
誰にでも、この体脂肪率の分岐点が存在するはずで、そこを乗り越えると、加速度的に体重が落ちていくダイエットの最高の醍醐味を味わうことができるでしょう。
まずは、現在の体脂肪率を測定してみてください。25%以下の人ならば、3ヵ月程度の運動で18%まで下げることができます。
筋トレで基礎代謝量を上げる
ここで、あらためて筋トレで基礎代謝量を上げることを詳しく説明します。
筋トレをすることがダイエットの最短距離です。そのため、テレビCMなどで宣伝されている、多くの短期間ダイエットのプランは筋トレと食事制限のセットであることがほとんどです。
食事制限は本来、ダイエットでは必須なのですが、食べたいものもあるしお酒も飲みたいし、という皆さんにおすすめするダイエット法は、ひたすら筋トレをするという方法です。
そもそも、食事制限はとても厳しく、さらに筋トレはハードな運動になるので、その両方を継続するというのは、簡単ではないというレベルを越え、よほど意思が強い人+パーソナルトレーナー+家族の協力があって、初めて続くものです。
ピンポイントの筋トレで最短ダイエット
筋トレをするとして、どの筋肉を鍛えるのが最短距離なのかを考えましょう。
それは大腿筋です。大腿筋とは、太ももにある複数の筋肉の総称で、体の中で一番大きな筋肉です。
一番大きな筋肉を鍛えれば、一番効果があるというのは分かりやすいと思いますが、実際に私はその方法で食事制限なしで10kg痩せることができました。
さて、前置きがかなり長くなりましたが、具体的には、ランニング(ジョギング)をほぼ毎日行って大腿筋を鍛えました。
最初は、ウォーキングレベルのゆっくりしたスピードではじめ、最終的には10kmを1時間切るペースで走れるようになりました。
大腿筋の筋トレと言えば、普通はスクワット一択なんですが、あれはおすすめしません。
なぜなら、きつ過ぎて続かないからです。きつい場合は、回数を減らしましょうってなるのですが、回数の問題ではなく、1回1回の負荷に耐えられないという人が多数なのです。
しかも、地味過ぎて辛さ倍増です。
22時就寝が唯一の条件
早く寝ましょう。それが唯一の条件です。
そして、毎朝5時に起きて、出勤前に1時間ランニングをしましょう。走ったあとにシャワーに入ることを想定すると1時間15分くらいは必要になるので、分単位で朝のスケジュールを組む必要があります。
そのためには、夜は22時には寝てください。
食事制限なしでダイエットするためには、家族や知人がドン引きするレベルの距離を走らなくてはいけません。そうなると、1日1時間以上の時間を捻出する必要があります。
今のあなたの生活で、1時間を捻りだせますか。
時間が無いは言い訳
そんな時間はありません。という方は一生ダイエットできないので諦めてください。つまり、あなたにとってダイエットの優先順位は低いということです。
ダイエット以外のことに時間を費やすことを優先しているのであれば、それはそれで幸せなので、無理にダイエットをする必要もないという結論になりますね。
あなたは何を犠牲にできるのか
すべては時間の使い方です。24時間をどう活用するか。これはダイエットに限らず、ビジネスや遊びでも同じことが言えますよね。
1時間の時間を捻出するということは、何かを犠牲にするということと同じです。それは好きなテレビを見ないようにすることかもしれませんし、何か趣味を一つ辞めることかもしれません。
さすがに家族との大切な時間を削ることはないと思いますが、あなたは何を犠牲にできますか。
週35kmまたは3時間が目安
最終的には、週35km、1ヵ月で140km前後の距離を走るようにしてください。
走り始めは、そんなにペースを上げられないので、週3時間を目安にしましょう。今の体重や体脂肪率によって、トレーニングの方法は変わってくるので、その詳細についてはここでは省きます。
最初の3カ月は怪我との戦い
40代、50代の人が突然、ランニングをはじめるとありがちなのが、最初に無理をしすぎて怪我をしてしまうことです。
私も散々、注意されたにもかかわらず、最初の3ヶ月は膝、アキレス腱など、ランニングにありがちな怪我を散々してきました。
ある意味、それは通過儀礼ともいうべき怪我なのかもしれませんが、重症になるとランニングができなくなってしまうので、ランニング本やネットでの情報で勉強して、怪我対策を行うことをおすすめします。
お金で解決する
その対策のなかでも、一番効果があるのはシューズです。
ランニングをはじめる際に、最初に揃えるものはシューズになると思います。そして、その金額の高さにビックリする人も多いことでしょう。
初心者向けだと、定価で15,000円〜20,000円がおすすめです。
もっと、安いシューズもたくさんありますが、怪我対策と考えれば安いものです。私は最初、ジムのフィットネス用に使っていたスニーカーで走りましたが、すぐにソールが剥がれてしまいました。それを見たとき、ランニングの足への負担は想像を越えて大きいのだと実感しました。
定価では高いシューズも、アウトレットやネットでの型落ちタイプになれば、半額くらいになるのでそういったものを選ぶこともできますが、1足目は長さだけでなく、横幅のサイズや甲高も測ってシューズを選ぶべきなので、ランニングに詳しいスタッフが常駐しているスポーツ専門店で選ぶことをおすすめします。
フルマラソン出場を宣言する
最後に、家族や会社の仲間にフルマラソン出場を宣言しましょう。
走るのはダイエットのためなんだ!と思うと地味になりがちなので、いつか辛さがでてきてしまいます。
そうではなく、キラキラした未来を想像しながら、走り続けてはいかがでしょうか。
フルマラソンにはサブ4(4時間切り)やサブ3.5(3時間半切り)など、同じ目標を掲げて、日々走っている人が世界中にいます。
市民ランナーという言葉もすっかり定着してきましたが、今日からあなたも市民ランナーの仲間入りをして、気が付いたら引き締まった体を手に入れている、なんて未来を描いてはいかがでしょうか。
(イチロー)