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神戸ビーフのはじまりと、本場神戸の知っておきたい店

神戸ビーフは、松阪牛、近江牛、米沢牛とともに、日本三大和牛とも日本四大和牛とも呼ばれています。中でも神戸ビーフは国内のみならず、世界からも評価が高いことで有名です。2009年には、「世界で最も高価な9種類の食べ物ランキング」の6位に選ばれました。

アメリカのオバマ前大統領をはじめ、トム・クルーズやスティーブンスピルバーグなど、世界のセレブリティをとりこにする神戸ビーフ。そのはじまりや旨さの秘密、おすすめの店をご紹介します。

●神戸ビーフのはじまり

神戸ビーフのはじまりは、1868年の神戸港開港にルーツがあります。開港以来、外国人が多く住むようになった神戸の町は、西洋の文化を早くから受け入れてきました。神戸は、パンの町とも洋食の町とも言われるほど、西洋の食文化が根付いています。牛肉食もしかり。ビフカツは神戸名物でもあります。

今では世界的なブランドとなった神戸ビーフは、どのようにして誕生したのでしょうか。

・使役牛が食肉に……!

神戸港の開港とともに入港した西洋人の肉食文化に対応するため、農耕や運搬を担っていた使役牛(但馬牛)が食肉用として食べられたのがはじまりです。エドワード・チャールズ・ギルビーというイギリスの実業家が、捌き販売したといわれています。

使役牛に適した小柄な但馬牛は、肉質も優良だったのでしょう。西洋人の間で好んで食されるようになり、但馬牛は神戸ビーフと呼ばれるようになりました

初代兵庫県知事に就任した伊藤博文も、神戸ビーフを好んで食べていたのだとか。

・生きている神戸牛はいない

兵庫県北部の但馬地方に神戸牛の肥育農家は数百件ありますが、どこの農場にも神戸牛は存在しません。生存する神戸牛はいないのです。

実は、神戸ビーフになれるのは但馬牛という高級ブランド牛。枝肉といって、背骨に沿って半身にされた但馬牛の肉が、いくつもの厳しい審査に合格し初めて神戸ビーフは生まれます。神戸ビーフとしての肉質と脂質をクリアできたものだけが神戸ビーフ(神戸牛)と認定されるので、生きている神戸牛はこの世にいないのです。

また「神戸牛」という名称は2007年に正式に登録され、それまでは「神戸ビーフ」が正式名でした。「神戸ビーフ」の名称は、神戸で初めて但馬牛を食べた西洋人から広まった正式名称です。

神戸ビーフ、その旨さの秘密

神戸ビーフの魅力は、繊細な霜降りと口に入れた時のほどけるようなやわらかさ。ほかの牛肉とは、一線を画す旨さを誇ります。なぜ神戸ビーフは、それほどまでに旨いのでしょうか。

・神戸ビーフはなぜ旨いのか

神戸ビーフの旨さは、なんといっても赤味に細かく入り込んだ繊細な霜降りにあります。薄ピンク色のサシと呼ばれる脂は、融点が摂氏14℃といわれます。きめ細かいサシが、赤味と一体となってほどけゆく甘さは、神戸ビーフの醍醐味です。 

また、神戸ビーフの脂肪に含まれているオレイン酸やうまみ成分のイノシン酸は、ほかの牛肉と比べて多く、神戸ビーフの旨さは科学的にも照明されています。

・神戸ビーフは日本一厳しい審査を通り抜けたエリート

神戸ビーフは、日本一の厳しい審査に合格したまさにエリートです。

そもそも神戸ビーフの素牛(もとうし)である但馬牛には、純血の血統を守っていること、出荷される月齢が生後28カ月から60カ月以下であることなど、厳しい基準が設けられています。

高級ブランド牛でもある但馬牛の中から、認定された肥育業者に育てられたこと、生まれから出荷まで兵庫県内であること、お産経験のない雌・睾丸を除去した雄であることが求められます。

肉質においても霜降り度合や色、脂質などさまざまな審査で上位の値に適応できなければ、神戸ビーフではないのです。

参照:http://www.kobe-niku.jp/top.html

本場神戸で知っておきたい神戸ビーフの店5選

・神戸ビーフの名店「麤皮」

1956年創業の老舗「麤皮(あらがわ)」は、ミシュランガイド二つ星の店です。
THE TABELOG AWARD 2021 bronze賞に輝くなど、味・技術・人気を兼ね備えています。

店内は丁寧に手入れのされた梁に、レトロなシャンデリアが下がるクラシカルな空間。神戸ビーフの歴史に浸りながら、極上の味わいを体験してはいかがですか。

http://www.aragawa.co.jp/

・神戸港を一望できるホテルで神戸ビーフを「ステーキハウス ミディアムレア」

神戸の老舗、オリエンタルホテルの17階にある「ステーキハウス ミディアムレア」は、鉄板焼きレストランです。美しい神戸港を眺めながら、目の前で焼かれる極上の神戸ビーフを心ゆくまで楽しめます。

石造りの近代建築やハイブランドのブティックが並ぶ旧居留地にあり、立地条件の素晴らしさも魅力です。

https://www.orientalhotel.jp/restaurant/mediumrare/

・神戸の地産地消に舌鼓を打つ「神戸プレジール 三宮本店」

「神戸プレジール 三宮本店」は、JA全農兵庫が直接運営するレストランです。神戸ビーフをはじめ兵庫県産の野菜を使用し、地産地消にこだわっています。神戸ワイナリーでワイン造りにも携わり、神戸プレジールのオリジナルワインもいただけます。
色鮮やかな野菜を使ったせいろ蒸しは、「神戸ビーフもものコース」と「神戸ビーフロースのコース」があり、どちらも女性に人気のメニューです。

https://kobeplaisir-honten.jp/

・神戸ビーフのすき焼きなら「神戸牛 吉祥吉 本店」

神戸中華街の路地裏にある「神戸牛 吉祥吉(きっしょうきち)本店」では、ステーキだけでなく神戸ビーフのすき焼きも食べられます。また吉祥吉は、最優秀賞受賞牛を一頭買いすることで有名。すき焼きには「神戸牛すき焼きコース」と「品評会受賞神戸牛すき焼きコース」の2種類があり、どちらもやわらかくてとろける味わいを堪能できます。

https://kisshokichi-honten.koubegyuu.com/

炉窯で焼き上げる神戸ビーフ「神戸炉窯工房」

「神戸炉窯工房」は、神戸ビーフを炉窯で焼き上げる新しいスタイルの店です。最高級の紀州備長炭で焼かれた神戸ビーフは大変香ばしく、旨味が凝縮されています。最高の焼き上がりを提供するために、予約が必要です。

隠れ家のような雰囲気の中で、ステーキや焼き肉とは違う味わいの神戸ビーフに出会えます。

https://rogama-kobo.com/

世界に通用するブランド、神戸ビーフ

世界のセレブリティから愛されている神戸ビーフ。本場神戸市が先導して神戸ビーフのブランド力を推し進めた甲斐もあって、神戸ビーフは世界に通用するブランドとして頂点を歩み続けています。

そんな神戸ビーフが食べられる本場神戸で、あなただけの特別なお店を見つけてみませんか。ビジネスやプライベートにおいて、神戸ビーフはあなたの世界をさらに広げてくれるきっかけとなるでしょう。

(竹村ヒロミ)

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